速いものでもう2月。
このブログを投稿するころには、もう3月だよ。となっている事でしょう。
さて、今年の1月は少し遅れた寒波で風も強く、体感気温は氷点下。
やっと春の兆しが見えてきた。と思いきや、また冷え込んだり。体に堪える季節です。
そんな時は、インドア趣味のオーディオに浸りましょう。初めましての方から、いつもお世話になっております方まで、移動時間の質が飛躍的に向上するカーオーディオを楽しんでいただけるよう、新商品だったりイベント情報だったりの共有もしていきたいと思っています。
ということで初めはモレル。最新機種が発売となるようです。
エントリーとミドルクラスの間ぐらいの絶妙な価格帯で登場するご様子。相変わらず剛性ありそうなバスケットにPPコーンのモレル、一体どんな音がするのでしょうか。
続いて、ちょっと福岡からは離れていますが広島でイベントが行われます。
カチカチのコンペではなく、カーオーディオファンのオフ会に近いような雰囲気のようです。ご興味あればぜひどうぞ。
しらちゃんのオススメ楽曲
・Michael Bublé – Crazy love
44.1kHzkHz/24bit 2009/10 リリース
1度聴いたら忘れない魅力的な声を持つマイケルブーブレ。Tr.1では印象的なイントロから、太くぬけの良い声が顔を出す。ジャズスタンダードなナンバーでも自身がオリジナルのような、その曲の魅力と自分の魅力をふんだんに詰め込んだ楽曲が多く聴きごたえ抜群。カーオーディオでは位相が一致していることが大前提でレンジの広い声質から繋がっていないと魅力が出ない。腹鳴り音と声帯が揺れる音、そして歯擦音が一致していれば、ダイナミクスに合わせてリアルな口元がドンと現れる。
インストール車両
本日の車両はBMW 135i
前車はE型3シリーズにお乗りだったお客様の新しい愛車です。
今のボディサイズが日本を走るの上では何気に絶妙なのではと思う135に、長らく使っている大好きな音が出る機材達を載せ替えします。
BMWの場合はドアに16cmスピーカーがないので、純正レイアウトを生かして高音質化するやり方が一般的。
DSPを用いた音響調整を行えば、運転席助手席下にウーファーがあるとは思えないほどの高音質に仕上げることが出来ます。
しかしながら、好きな音が出る機材をお持ちとなれば話は別。前車もアウターバッフルにてインストールしていましたので、次の愛車となる135も純正然としたアウターバッフルで仕上げます。
システム
[DSP] HELIX DSP PRO MK3
[Fスピーカー] MBquart + BRAX ML3 + ML1
[サブウーファー] JL Audio 10W3V3-4
[パワーアンプ] Rockfordfosgate T400-4 × 2

[LDAC対応Bluetoothユニット] audio technica AT-HRD300
[高音質RCAケーブル] audio technica AT-RX280A
インストールと解説
ソースユニットの1つ目は純正ナビ。
純正アンプから音声信号を頂きDSPへ入力しています。
欧州車の場合は、純正アンプから帯域制御された信号が各スピーカーにダイレクトに行っているタイプと、フルレンジがLRそれぞれ走って、スピーカー根本のコンデンサ等で帯域を制限しているタイプとあります。
近頃のDSPはマルチミックスできる機種が殆どなので、帯域制御された信号でもDSP内でフルレンジを生成して再生できるので、比較的自然な音に仕上げることが出来ます。
でもやっぱり外部入力ほしいよね。
という事で、テクニカから発売されているLDAC対応Bluetooth受信機、HR300を装着。
LDAC送信を持ったDAPやスマホであれば、96kHz/24bitまで行ける音の良いヤツ。
一般的にLDAC伝送は音は良いが遅延が凄い。って構造ですが、オーディオ再生用途のみであれば映像とリンクさせる必要もないので特に問題なし。
ケーブルを抜き差しする必要がないので便利よね。という事で需要があります。
ただ、メインスマホでストリーミングを考えている方は要注意で、車のナビとペアリングしていて更にHRD300とも繋ごうとすると電波の取り合いでお祭り騒ぎ。
Bluetoothを使おうと考えている場合は、やっぱり別途オーディオ再生用の端末があった方が使いやすいと思います。
DSPのリモコンは、定番ポジションともいえるココに埋め込み。
ドリンクホルダーがいたり、最近の車はワイヤレス充電器がいたりしますので、それらを使う際に極力干渉しないように考慮しつつ埋め込んでいます。
HELIXのリモコンの最上位モデルとなりDirectorは、タッチとクリクリで操作を行います。Conductorのように光を見ながら操作するわけではないので直感的で使いやすい点が最大のメリットでしょう。
また、PCを接続して設定する必要があるような項目も、ある程度までは深く入っていけるので、がっつりと自分仕様に纏めたい方はコレが良いでしょう。価格が高いのがネックです。
前車からお使いのBRAXのツイーターML1はAピラーワンオフ。
BRAXのML1はディスコンとなり、現在はML1PROってやつに代わっています。
28mm口径で、低い帯域から高い帯域までを高品質に再生すべく設計されたシルクドームの製品です。
ツイーターは大きく分けて、ソフトドームとハードドームがあります。
ソフトドームの特徴は、文字通り柔らかい素材で出来たツイーターで、耳触りのよい優しい音色と、スムースで伸び伸びとした抜け感が素敵。ただし、大きな音や細かいディテールに弱いので、各社コーティング等を施してチューニングしています。
ハードドームの特徴は、クリアで鋭い輪郭を持ち、音像のシャープさが抜群。そして立ち上がりの速いキレのある高域を持ち、高い剛性からデカイ音でも歪みにくい。ただし、エッジの立った音は耳に刺さる場合もあり、金属感を感じる無機質な雰囲気になることも。これまた各社チューニングして上手いことやってます。
で、ML1はソフトドームです。
なんだかんだで、ソフトドームの良さとハードドームの良さを足した所を狙う形となるので、どちら側から攻めるかという所ではあるものの、実際に聴いてみると、やっぱりソフトドームだな、やっぱりハードドームだな、と感じる部分は見えます。
人間は高域に敏感なので、ここのトーンを好みに合わせることで、より満足度の高いオーディオシステムに仕上げることができますね。
続いてドアです。
今回は愛用のMBのミッドバスを装着しますが、将来スピーカーを変更できる余裕も残して美しく仕上げます。ドア防振はPAC2です。
前車のBMWもドア1枚作りこんでいましたが、今回も長く乗るぞ!という事で純正然とした仕上げをご希望されていましたので、下半分を丸っと作り直し、一体成型にて製作しています。
ミッドレンジのML3は純正位置に。
ドア防振はフル施工のプランなので、鉄板部、内張り部共に、しっかりと止めています。
BMWは左下の16cmないし17cmが付くようなスピーカーホールはないので、穴開けてます。
当然、スピーカーが付くことを想定されていないので、キュイイイインと穴けて終わり。とはいきません。誤ってヤベェとこ切ったら終わりです。
強度面もありますから、窓のレールの固定部や、全体の剛性の芯になっている部分を交わしてmm単位でオフセット。スピーカーの音を最大限引き出すための施工ですからバッフルも大型に仕上げています。
シンプルに仕上げるという事は案外逆に難しく、面が広いのでシンプルを意識しすぎるとノッペラポーになります。
純正に沿うラインをサッと引いて、レザーを張り込んでくみ上げフィニッシュです。
完成!
ブログではあっという間ですが、実際の施工は中々にヒィヒィ言うた具合でした。
G型ベースのドア構造は、控えめに言ってとても触りづらく、車メーカーの中でもダントツの電子制御マシーンなので気をつかいまくります。
初めの段階で、厄介ではあるが不可能ではないと判断し、お客様にもご説明の上での施工となりました。
施工完了までに少々お時間頂きましたが、御満足頂けましたのでよかったです。
ちょうど良いところにリアゲートを開けるスイッチが居たので、使い勝手が良く、デザインの妨げにならない部分にひっそりと移設していますよ。
こちらの車は床下に広い空間があったので、オーディオブースとして確保する事となりました。
底がデコボコだと平面水平を出したアンプボード製作が必要となり費用もかさみますから、底が平坦な広いスペースがある車両はオーディオインストール的に助かりますね。
前車からお使いのT400-4と、再利用可能なケーブル類はそのままに、最新モデルとなるHELIX DSP PRO MK3を追加装着しています。
お客様の過去の経験から、ケーブルで音が変わる事はご存じなので、厚みと躍動感があり、カッチリとした音を出すRX280Aを最適な長さでフロント3way分を装着。

気が付くと、なんかすんごいView数が付いているRX280Aの当店レビューも貼っておきますね。
DSPをシート下に設置すると、デジタルの入力を短くできるので、取り回しの都合含めて胴が長い車だとシート下をお勧めしています。
一方で、DSPをアンプ側に設置する大きなメリットもあるので解説しますね。
カーオーディオでのデジタル接続は主に、光と同軸、そしてUSB Audioの選択肢があり、それぞれに特徴があります。また、一方通行でクロックと左右の音源データを伝送する光と同軸でも、音質に違いがあります。
※クロックとは、
オーディオデータの処理のタイミングを制御するための基準を決める装置です。分かりやすく例えると、オーディオデータを楽器隊とするとクロックは指揮者です。指揮者が優秀であればデータは正確に再生されます。指揮者がヘタクソだと楽器隊はタイミングを合わせることが出来ないので音源の質が低下します。よってデジタル伝送においてクロックは重要な要素となります。
光(オプティカル)は、電気信号を光に変換して伝送する方式なので、道中のノイズの影響を受けづらく距離によるロスも少ないことから、車内で使う程度の距離であれば特別気を付けることはありません。しかし、電気信号を光に変換する装置を噛むので、その性能で音質がボッコリ変わります。また使用する光ケーブルの質でもボッコリ変わります。透明のクリアファイルに入れた場合と、艶消しのクリアファイルに入れた場合とでは、中の書類の見え方に違いが出る事を考えれば、ケーブルの質で音が変わることは明白ですね。ちなみに旧カロXは光です。
同軸(コアキシャル)は、電気信号のまま伝送する方式なので、道中のノイズの影響を受けます。またケーブル内部の導体の抵抗を受ける事、静電容量が発生する事から、距離が長くなればなるほど信号が乱れるので、音質に差が生まれます。そのため、同軸であれば短いに越したことはなく、長く使う用途では向きません。この最長の長さの基準は、ケーブルの構造も絡むので各メーカーでバラバラです。
USBは、仕様にもよりますがアシンクロナス(非同期)方式であれば受け側にデータをプールして、受け側のクロックに合わせて再生します。ということはDSPに内蔵されているUSBコントローラの質(とそのあとの処理)が最重要となり、ここの性能に注目する形になります。非同期式であってもDAPやメディアプレイヤー、そしてケーブルの質による音質の違いはハッキリと出るので、受け側の性能が全てではありません。
ちなみにI2S(IIS)は、伝送する為の変換チップを噛まないので最もストレートに伝送できることから音が良いとされています。けどもカー用でI2S入力を採用している機器は僅かなのでまだまだマイナーです。
マイナーと言っても、例えばハイエンドメディアプレイヤーのAuneでは、外部クロックがオプションとして販売されており、更にその外部クロックを装着するとハッキリと違いがわかるほどの音質差があります。更にI2S出力を持っているので、I2S入力を持つDSP(Resolutなど)と接続すれば、伝達ロスが極めて少ない接続方法となります。
結局のところカーオーディオでは機材を設置できるスペースも限られる事から、どちらを短く取るかの話となり、その答えは距離(長さ)による劣化が大きく出やすいデジタルは短く、アナログ長くにする方がベターだという事となります。
しかしながら、DSPをアンプ傍に置くレイアウトにも実は大きなメリットがあることも忘れてはいけません。
それはズバリ、高品質なRCAケーブルを短く使える事です。
高品質なRCAケーブルは価格で長さで大きく変わるので、短いもので良いとなれば導入できる可能性が生まれます。
なにより、
アナログ伝送のRCAケーブルは、音色のコントロールが効きます。
マルチ接続が主流の今はなおさらで、例えばツイーターをもう少し優しくしたい。とか、逆にもう少しカッチリクッキリしたい。と思った場合に、その特性を持つRCAに変えれば解決するので、ケーブルでの音作りが可能となるレイアウトは後から効いてきます。
デジタルの話のついでに、デジタルをデジタルに変換するDDCも、実は音質向上ユニットとして活用できます。
以前ブログで掲載したSMSLのDDCは、USB入力を高品質クロックを通して上手な指揮者の演奏で同軸または光に変換する事でコンバータとしての仕事をよりハイクオリティに行うことが出来ます。
他にもオーディオテクニカのコンバータAT-HRD500は、AKMのプレミアムコンバータで非同期式で処理しているので、これまた上手な指揮者の演奏でAKMらしいきめ細やかで艶やかなサウンドで出てきます。ちなみにアタシはAKMの音が好きなので愛用しています。
と折角のタイミングなので、デジタル系の事について長々と書いてみた次第ですが、それぞれの特性を理解した上で機材選びを行うと、より高音質なシステムに仕上げることができます。なにより、オーディオへの面白みが深まりますね。
ラゲッジ上には、脱着式で以前からお使いのJLのサブウーファーをインストール。
JL Audioのサブウーファーはコスパが極めて高く、当店でも販売しまくっていたメーカーですが、国内流通の過程でゴチャゴチャになり、今現在このブランドどうなってんの状態であります。
JLのサブウーファーは、素材や構造から価格分けしてあります(ありました)が、それぞれに特徴のあるサウンドを持っていたので、僕自身も10W3V3の下のグレードとなる10W1V3を愛用しております。PPコーンならではの張り手の様なアタックの効いた音が大好きです。
この10W3V3は、適度な存在感を持ちつつも、フロントスピーカーの底を支えるサウンドなので、量感や環境音の雰囲気の再現が抜群です。
ユニット型サブウーファーは、世の中にたくさんあります。
低音のグルーヴの上にそれ以外の音が乗る様なタイプもあれば、惰性による音を残さず入っている音を重く速く正確に出すモタイプ、これサブウーファー乗ってんの?と存在が消えまくるタイプもあります。
またこれらは、そのサブウーファーユニット入れる箱、エンクロージャーのクオリティでも別物級に顔色を変えますので、とっても奥が深いスピーカーだったりします。
ユニット型を脱着式で1度製作すれば、車を変えても数十年レベルで使い続ける事が出来るので、最初のコストはかかりますが、ペイできるものだと思います。サブウーファーで臨場感や、躍動感が大きく変わりますので、ぜひユニット型をお勧めしたいですね。
最後に音響調整を施して納車となります。
あとがき
ここ数年で、車が大きく変わっています。
以前の車ならば、多くの車種で社外ナビをペッとつけて、ピシャっとケーブル引いて、パキッとドアの音響加工を行えば良い音に出来ました。
現在は国産車であっても、外せない純正ナビが居る所から挫かれ、DSPやパワーアンプを装着する為の場所を整え、電源/ケーブルを引き回し、音響加工でも入力のエフェクト等をキャンセルしながらの音響調整が必要で、中々手間のかかる車種が増えています。
カーオーディオにご理解のある方であれば、ナビ内蔵のDSPよりも単体機のDSPの方が高性能で音が良いからそれにしよ。と言って頂けますが、世の中なかなかそうもいかず、
ハァ!?ナビついとるのにこんな高いもんいらんやろ!!となり、今はちょっと無理そうでーす。なパターンになることが体感的に増えた気がします。
しかしながら、興味がある人が減ったわけでなく、やりたいけどやれない人が増えたのだと思うので、カーオーディオ布教特攻部隊のワタシとしても、一人でも多く素晴らしい価値のあるカーオーディオを楽しんで頂きたいと思い、中古品を回転させてみたり、比較的手頃で安定動作する良品を探してご提案している次第です。
カーオーディオ専門店は、製品を販売するだけでなく、オーディオ知識をたくさん持っています。
この知識は、卓越した性能を持つハイエンド機器で涙が出る音を作る事も得意ですが、安いけどこれ音良いよね!機器を見つけ出し、上手いこと組み合わせてコスパよく良い音を作る事も得意としています。
カーオーディオ製品は未完成品なので、物を買っただけでは音は出ませんし、デジタル部などは使い方を間違えればノイズが出たりと思い通りに動きません。
このあたりが絡むので、決して単価が安くないオーディオ機器を失敗せずにインストールする為にも、我々の知識と技術はお役に立てると思います。
当店のSNSは多くのカーオーディオファンの方に目を通して頂いているようなので、手が空いた際にはジャンジャン更新したい所でありますが、どうしても手間がかかるのでブログ更新はまちまちとなっています。
一方インスタの方は、もしもしで更新できるので、インストールさせていただいている合間に思う事、感じる事、誰かの為になるかもしれない事など頻繁に書いています。
仕事としてもやっている立場から聞かれたことを返す流れは難しい所がありますが、僕が勝手にベラベラ喋っている事を見る分にはタダなので、ノウハウチックな事もたまに書いているインスタもよろしくどうぞ。
アゴヒゲ白石
エモーション公式LINEにて、
Dr.ハシモトのカーオーディオ講座を公開中!