春です!新年度になりました!
ワタクシも私生活の方で大きく変わる年でして、先月は色々と駆け回っておりました。
ひとまず落ち着きが見えたところで、合間時間でブログ更新しています。
オーディオ業界の方も、SNS等で気になる新製品のチラ見せがあったりと、先月より発症していた”電線病”が落ち着いたと思いきや、早速ソワソワ、ワクワクしている次第です。
エモーションオリジナルブランド、ECSからも、皆さまに気に入って頂けそうな新しいモノもテストしていて、4月間に合うかな?と思っていましたが、まにあいませんでした。
今回のものは、試しに付けてみて、気に入ったらご購入くださいスタンスも可能な、オーディオって面白いね。と行ける価格で調整していますので、発売決定になれば、再度ご報告いたします。
ということで、本編はじまりはじまり。
こんにちは、しらちゃんです。
本日は、ボルボさん。
輸入車では、VW、BMW、Audiが多い所ではありますが、VOLVOだったり、たまにムルティプラだったりが入庫します。
この年式のボルボの内装は、大変触りやすい構造をしており、パネルが重なり合っていて、どれが最初だ?と悩む事もなく、近頃の国産車よりも触りやすいと感じる程です。
純正ビルドインナビを使って、音を良くするとなると、
カーオーディオの音質に不満を持つ最大要素の2つ
・純正スピーカーが超低コストなゆえ品質が最低ランク + 鉄板や樹脂パネルにくっついている事。
・左右スピーカーのセンター位置で聴けない事。
の改善が必要となります。
今回は、前者のスピーカー問題を改善していきます。
装着スピーカーは、
DIATONEが誇るNCV-R振動版を採用したDIATONE DS-G400
こちらを専門店ならではのノウハウを導入してインストールして参ります。
ソースユニットは純正ナビ。
この型のボルボの場合、アンプがこのモニター裏ではなくシートの下に居ますので、この辺りはノータッチで行けます。
純正の操作系はそのままに音質向上を目指すという事で、純正アンプ後の出力にスピーカー付属のパッシブネットワークを通して、2wayに分配。
付属パッシブなので音の繋がりも大きな問題はありません。
カーオーディオは、プリエフェクトが入っていない限り、基本的にはスピーカーから音が出る際&出た後に音がおかしくなるもの。
純正スピーカーは、剛性が非常に低く、分割共振も大発生で、人間の声がコーコーカーカー言ってみたり、”共振による影響”で歪んで聴こえます。
音が悪い。と一言で言っても、何処が原因なのかを把握し、的確に対策する事が、遠回りしない、投資した分しっかり音質が向上する秘訣となります。
その部分を改善すべく、今回は音響加工に重点を置いて、入力された信号通りに音が聴こえる様にインストールしていきます。
超絶西日により、ちと見にくいところではありますが、
G400のツイーターはAピラーワンオフ。
比較的小型なので、純正のラインに繋がる形での埋め込みが可能となり、純正に馴染むデザインで仕上げています。
今回はパッシブなので、距離によるズレを考慮し、右ドアと右ツイーターの距離を揃え、縦の位相を合わせる様にインストールする考え方もありますが、当店では、Aピラーワンオフで埋め込む際は、将来的なDSPありき、タイムアライメントありきで位置決めしています。
そのようにする理由ですが、殆どの車種でツイーター装着位置を距離で合わせようとすると、反射面に近づきすぎます。すると、ツイーターから出た音が周辺の環境により変化し、耳に届く頃には、ピーク/ディップの多い状態になってしまいます。
ディップはまだしもツイーターのピークは、高性能だからこその不快な場合があるので、これでは適切な取付位置とは言えません。
その他幾つか理由はありますが、
総合的に考えると、パッシブであっても、DSPにて、音の出るタイミングと、帯域別の補正を行う前提で製作する方が良い結果となるという考え方にて製作しています。
ドアはPAC1Ver2.0
いつもの銀のヤツにて防振しています。
ボルボのインナーパネルは樹脂パネルで、大量の凹凸にて強度を確保している様です。
この凹凸に沿わせて防振するとなると中々大変なのですが、するのとしないのとでは大違いですので、しっかりと施工しています。
今回のドアの様に、高低差があると、くっついている様に見えても、実際は浮いている部分も多くなりますので、小さいトンカチを用い、適度な力でブチくらして圧着しています。
その浮いている部分をしっかりと圧着する事で、全く別物の音になります。
それほど、”浮き”はロスが多いわけです。同じ材料費を使っているのだから、そりゃ効いた方が良いに決まってます。
ドア内張りも、鳴きやすい部分であるドアポケット裏だったりにピンポイントで防振処理を行う事で、スピーカーから音が出た際に共振によりビリビリと音を出す部分を抑える事で、G400のハッキリとした発音が聴こえてくるようになります。
この”ビリビリ”という音は、実際は音楽に混ざって聴こえているので、内張りのビビリ音と聴感で断定する事が難しい場合が多くあります。
要は、気づかない異音なわけです。
当店の代車であったり、スタッフの車であったりで、出来るだけ材料と時間をかけずに、この音を低減できないか模索してうまれた防振プランVer2.0。
コストパフォーマンスの高さは自信あります。
実際見えなくなる部分ですから、心情的にお金をかける意味を疑問視する部分でもありますのでコスパも拘っています。
VWやBMWなどのドイツ車のカプラーは車体側ですが、ボルボはドア側。
ケーブル通線の為の加工は、1度車体からカプラーのオスメス両方を外す必要があるので、ドア側に付いていた方がやり易いですね。
車体側に付いている車は、そのカプラーが出てくる部分にコンピュータだったり、ジャンクションボックスだったりがいて、それらに避けて貰う所から始まるので、結構時間を取られる所、ドア側であれば、スピーカーホール等から引っ張り出せるので加工がやり易いです。
本来ケーブルが通らない所を通る様に加工するので、大丈夫?とご心配される方もいらっしゃると思いますが、純正の接点部分は触れずに、支障の出ない部分を選び加工していますので、純正機能にエラーが出る事はありません。ご安心下さい。
スピーカー信号はハイレベルと表現されるように、一般的には外からのノイズを受けにくい信号ではありますが、車の様に何十本、何百本と電圧の異なる信号が走っていますので、影響は少なからず受けます。
当店では上グレード品をご選択されない限り、スタンダードとしているカナレ4S8を新たに配線しています。
ちなみにカナレ4S8は、オーディオ用としては”すこぶる安い”ので、下に見られがちなケーブルですが、カナレ社のケーブルのノウハウはぶっ飛んでいます。
自称、電線病を名乗るアゴヒゲは、既製品は勿論、コア線にシールド掛けて1からケーブルを作ってみたり、市販の切り売りケーブルを1Mずつ買いまくってプラグ付けてテストしてみたり、結構な本数を試して研究していますが、数万、数十万のケーブルよりもカナレの方が良い事が多々あります。
純度だけでなく、構造でも音は変わります。
中のタコ糸みたいなヤツと、紙の様なヤツはとても大きな意味があるのです。
で、あの価格は安すぎる!カナレさんありがとう。
ドア内張りを戻したら元通り。
輸入車は市販バッフルがないので、どうしてもバッフル製作料は掛かりますが、高さであったり、強度であったりを工夫しながら製作しますので、仮に市販バッフルがあったとしても、ワンオフ製の方が音は良いです。
スピーカーが接している部分ですから、ここの強度、重量、材の内部損失等は出音に影響しまくります。そのバッフルが接しているインナーパネルもまた似たようなもんなので、ドアの音響加工は高音質化にはマストとも言える工程となります。
オーディオと同時施工で、駐車監視が標準装備の前後ドラレコ
Carrozzeria VREC-DZ800DCも装着しています。
今時のドラレコという事で、高画質は当然ながら、シチュエーションにより録画フォルダが分かれたりと、後から見返すときにも安心安全設計。
ドラレコが永遠に電気食ってバッテリーが干上がる事も防止する電圧監視機能も搭載しているので、ここも安心材料ですね。
最後に調整できる範囲で音質を整えて納車となります。
今回は、Aピラーワンオフでのスピーカー交換という大変シンプルな作業でしたが、心掛けた工夫等を書き出してみると、そこそこの文字数になりました。
この、しっかり手を入れた基礎が出来た状態に、DSP、そしてパワーアンプを導入すると、より音楽がリアルになります。グルーヴ感が出てきます。
今回の記事で、大方の”音響加工”の重要性はお伝え出来たかと思いますが、DSP、即ち”音響調整”の重要性を簡単に書き出すと、
・タイムアライメント(TA)補正が出来ます。
TAとは、スピーカーから音が出るタイミングを動かす事で、疑似的にスピーカーの設置位置を動かす事が出来ます。(左右スピーカーの中央で聴いている様な状態にできます。)
msセットではなく、mmセットの場合ですが、タイムアライメントの正確な数値とは、各スピーカーのボイスコイルの位置で合わせた距離です。表面までの距離ではありません。つまりレーザーの距離計などで高精度で計測しても、その数値は”参考値”となり、その数値を基準に、数字を前後させて、音を聴きながら追い込みます。
・細かなクロスポイントの設定。
クロスポイント(カットオフ周波数)とは、ドアウーファーには、○○Hzまで再生させて、ツイーターには○○Hzから再生させる。という役割分担の設定値です。
スピーカーは、テスト用のエンクロージャーに入れて、最適な数値であったクロスポイントが、必ずしも車に付けた際に同じ数値が最適であるとは限りません。経験からハッキリ言うと、異なります。結局、カーオーディオとは、反射面に囲われていたり、エンクロージャーとなるドアの大きさが車種によってバラバラである事から、極端な話、車種によって、取付方法によってスピーカーのスペックが変わる程の変化をしています。
昔からカーオーディオを楽しまれている方ならおなじみの、2.5kHzや3.15kHz。実は2.75kHzや、3.024kHzの方が圧倒的に良かったりするわけです。この詰めによって、ボーカルがボヤッと真ん中にいるのか、口元が見えるのかが変わってきます。リアルに直結します。
・細かなイコライザーの設定。
当店は、カーオーディオにはEQはマストと考えています。スピーカー背面の外鉄板による400,500,600Hzへの影響を始め、ドアの中の窓のレールであったり、プレスラインによる影響は無視できません。車内形状によるツイーターやミッドレンジのピークディップも無視できません。これを改善する為にはEQは必要です。
上記クロスポイント設定(縦の繋がり)は、音が聴きやすいポイントを探すのではなく、最も濃く聴こえる所を探します。もっとも濃い音にして、そこから車内特性による影響の補正を行います。この手順こそが、現システムで、もっとも濃く、もっとも解像度高い状態で、リアルな音にする秘訣です。
スピーカー交換と、DSPはそれぞれ音が良くなる部分が異なる事を伝えたいがゆえ、なんか喋りすぎたような気がしますが、ヨシとしときましょう。
スピーカーとDSPの同時施工は予算的に難しい方もいらっしゃると思いますので、1つずつ施工していき、それぞれ変化が異なる事も含めて、音楽を楽しみながらカーオーディオとお付き合い頂けると良いと思います。
カーオーディオの面白い所でもありますが、
スピーカー交換のみ施工した! →”10″良くなった!
DSP装着して音響調整のみ施工した! →”10″良くなった!
両方施工した! → “10”+”10″で”20″良くなった!
ではなく、
“10”×”10″で “100” 良くなります。マジです。
オーディオは、バッフル等は勿論、ケーブルの通す道でも音が変化する世界です。
”車をバラして付いてる物を付け替える、付け足す”
工具と根性があれば、誰にでも出来る事かもしれませんが、
当店はカーオーディオ専門店。音に責任を持って施工しています。
頂いているのは”手間賃”ではなく”施工費用”です。
上手い事伝わる言葉が出てこないのでアレですが、
絶対に音楽がもっと好きになる。
絶対にドライブがもっと楽しくなる。
絶対に人生が豊かになる。
そう確信をもって仕事をしています。
どのようなメニューであっても、手を抜かず、
音が良くなった!この好きな曲、こんな音やったんや!色々曲探そう!
そんな皆さんの笑顔を楽しみに仕事をしています。
ご興味あればお気軽にお問合せ下さい。
アゴヒゲ白石