10万円以下では近年稀にみる傑作だと思った。グランド・ゼロ GZUC 165.2SQ スピーカー

イベント・試聴会

皆さんこんにちは、エモ親方です。

本日はグランド・ゼロの新型スピーカー
GZUC 165.2SQを視聴いたしましたのでそのレポートをいたします。


グランド・ゼロ GZUC 165.2SQ

結果から申し上げますと、
10万円以下のスピーカーの中では群を抜いて良いものの一つだと思います。
音質は次のような特徴があります。

・このクラスでは異常なほど情報量が多い
・音離れが良いので定位感が良い
・余韻が豊か
・音場感、特に奥行き感がくっきり出る。
・故に、音楽の感動も深い。

この質感から導き出せる答えは、恐らくBLが高いという事になろうかと思います。

BLとは、マグネットの磁力×ボイスコイルの磁力、を表したデータ(TSパラメーター)の事で、
この数値が高い程、情報量が豊富になり、能率も上がります。
もっともBLが高くても低音を伸ばそうとすれば能率は下がりますので、
他のデータが同じであればBLが高い方が能率は高くなるとお考えください。

BLを上げるには、より強力なマグネットとより強力なボイスコイルが必要となります。
駆動力も強くなりますので、それを支えるフレームバスケットにも頑強さが求められます。

要するにBLを上げるという事は価格も高くなるという事です。
従って一定以上の価格のスピーカーは総じてBLが高いものが多くなります。

ところがBLが高いスピーカーにも欠点があって、聴き辛い癖を発生させてしまう点です。

典型的な高BLスピーカーは、プロ用のモニタースピーカーです。
コンサートホールなどで使用する場合はPAが聴きやすく調整していますが、
屋外のイベントなどで使用している場合だと、聴くに堪えない程うるさい癖が出ている場合があります。
特に中音域や中高音域に癖がある場合が多く、稀に低音にも癖が出ます。
低音に癖が出る場合は、ゴツゴツした低音でやたらにアタック感が強く、胸を叩かれているような印象になります。

音楽鑑賞用のスピーカーだと、この癖が命取りになりますので、
スピーカー設計者は高BLを維持しながら如何に上手く癖を取って聴きやすくするかが腕の見せ所となります。

カーオーディオ用スピーカーでも高価格帯のスピーカーで稀に酷い癖のある物がありますよね。
中域や中高音域がすさまじくピーキーなものが。
あれは高BL故の癖を解消するのに失敗したものだと思われます。

このグランド・ゼロ GZUC 165.2SQは、高BLと想定されるにもかかわらず、
実にスムースで聴き疲れが全くない音に仕上がっています。

この設計者は恐らくかなりの凄腕です。

内蔵アンプでも十分鳴らせます。スピーカー側の駆動力が高いですからね。
パワーアンプを組み合わせるなら、
出力段がMOS-FETのものよりもパワートランジスタを用いた物の方が良いと思われます。
このスピーカーは意外とアンプの個性を出してしまいがちだと思えるため、
パワー系よりもスムーズですっきりした質感のアンプと組み合わせた方が良いでしょう。
またD級アンプとの相性も良いようです。

グランド・ゼロ GZUC 165.2SQは、今月いっぱい
31日までエモーションにて展示しております。

ご興味をお持ちの方は、是非試聴されてみてください。

それではまた。

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TEL 092-939-0789

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