JBL 新型Clubシリーズスピーカー 2万円でこの音は良き

オーディオレビュー

毎日やることに追われているエモーションですが、試聴も大切な仕事の一つ。

世の中にスピーカーは沢山ありますが、埋もれているユニットも沢山あります。
また次々と新作スピーカーも登場します。

安い買い物ではないので、
気にはなるけど誰も使ってないし聴ける所ないし、、と思ってパスした事がある方も多いのではないのでしょうか。

そんなスピーカーをご紹介する当ブログ。

作業ブログも溜まりまくっておりますが、合間にコイツを突っ込んでみます。

 

最も、エモーションが良いっていうから良いんだ!となると、
豆腐メンタルの僕には荷が重いので、例の如くツインレビュー。

僕しらちゃんのレビューは、1カーオーディオユーザーとして。

親方のレビューは、より深く、掘り下げた評価も含めて書いていこうと思います。

 

製品HP

JBL Club 602CTP

Club 602CTP - JBL Japan
新たに設計されたドライバーはコンパクトで設置の簡単なボディと、極めて高い出力音圧レベルを組み合わせています。完璧なアフターマーケット・システムに加えて、工場出荷時設定のアップグレードには理想的です。

価格2万円+税のスピーカーですが、
ツイーターは、スタンド型オンダッシュマウントが付属しているので、
手ごろな価格のスピーカーだからこそ必要な最適な場所に簡単に設置出来るアイテムは同梱。

聴く前から高得点です。

 

気になるサウンドの方は、ツインレビュー。

 


しらちゃんレビュー

 

懐かしい音がする。

これはチーフの受け売りですが的確な言葉。

赤色が見えるツイーターは、こう見えて実はソフトドーム。
高音がキンキンする事もなく、全帯域で不足している部分は特に感じることもない。
アコースティックな音楽から打ち込み系の音楽まで、マルチに再生出来ています。

2万円という価格からすれば、それ以上の質感を感じるサウンドで、
大きめな音量で聴いても、気持ち良く楽しむ事が出来るスピーカーです。

収録されている生楽器の音も、しっかりと認識でき、どんなジャンルの音楽でも楽しく聴ける事は間違いなし。

 


親方レビュー

 

2ウエイスピーカーのクリア感を上げるには、まずクリア感の阻害要因となっているものを排除すること。
多くの場合、コーン型ミッドバスの帯域における高域側で発生する分割共振歪みがその原因となります。

分割共振歪みが多く発生している場合、口を両手で押さえてしゃべった時のようなこもった音になります。
またツイーターで高音を補正させてもこの中高域のこもり感は残ります。

分割共振歪みによるこもり感を排除するには、ミッドバスに中高音域以上を再生させないという手法を用います。

即ち、ツイーターを高性能化し、ミッドバスの中高音域までをカバーさせ、
ミッドバスの中高音域から高音域をカットし、再生させないという方法です。

これで分割共振歪みによるこもり感は随分解消されます。
これが昨今の2ウエイスピーカーのトレンドですね。

一方で、分割共振歪みが多く発生していながらも、
そのこもり感そのものが心地よい響きとなるよう、
何度も試行、試作を重ね、設計するスピーカーがあります。
それはフルレンジスピーカーです。

小口径フルレンジなら分割共振歪みが多く発生する帯域は高音域になりますので、さほど気にする必要もないのですが、
15㎝を超えるフルレンジスピーカーの場合、音楽再生にとって非常に重要な箇所で多くのひずみを発生します。

現代のように様々な測定機器がない古い時代、当然スピーカーもフルレンジが主流の時代。
音の良いスピーカーは作っては試聴、作っては試聴の、カット・アンド・トライで作られていました。

つまり、分割共振歪みが発生していても、
それが心地よく聴こえるポイントを(そうとは意識せずに)探していたという事になります。

それでも、大口径フルレンジゆえ、どうしても足りなくなる高音域をカバーするために、
ツイーターを用いて補う。これが2ウエイの起こりです。

つまり、低音を補うのがサブウーファーなら、高音を補うのがサブツイーターだったわけです。

今ではマルチウエイスピーカーの重要な要素であるツイーターですが、

元々はフルレンジスピーカーの高音増強のために用いられたのが始まりです。
JBL Club 602CTPは、そういった手法で作られたのではないかと推察します。
ミッドバスの中高音域が非常に魅力的で、ナロースロープでもこもり感をあまり感じません。
分割共振歪みがないというよりも、歪みそのものが倍音成分となって音に乗ってきている感じです。
こういうスピーカーは、現代でも少ないながら存在しています。
どれもヴィンテージ的な音の鳴り方で、中域が非常に魅力的、
ボーカルのニュアンス再現に長けています。
スピーカーを低価格で発売するという企画の場合、
製造国以上に問題となるのが、どこをコストダウンするかと言う点でしょう。
ご存知の方も多いと思いますが、
ツイーターは高性能化させるとコストが上がります。
高性能化と言っても、中高音域までその帯域を低く伸ばすという高性能化に費用が掛かる訳ですから、
高音に特化して作れば安く音の良いツイーターを作ることも可能です。

そこで問題となるのが、ミッドバス再生帯域の高音側で多く発生する分割共振歪みによる音のこもり感。

だったらまずミッドバスをフルレンジでも心地よく聴けるスピーカーに設計し、
高域に特化したツイーターと組み合わせ、高いクロスでそれを繋ぐという手法なら、
低価格でも音の良いスピーカーが作れるのではないか。

JBL Club 602CTPは、そのようなコンセプトで作られているのではないか、
これが率直な感想です。

エモーションのチーフインストーラーである松浦が言う通り、
古い時代のスピーカーを知っている人間が聴くと、「懐かしい音がする」と感じるでしょうね。

ですが懐かしい音が、現代の音楽に向かないというわけでは決してありません。

寧ろ声を張り上げる歌唱の多い現代の音楽には、非常にマッチしたスピーカーなのではないかと思います。

高音に透明感があり、中音域は音数が多く魅力的、
そして低音域は非常に締まっており、音楽をリズミカルに再生します。
2万円と言う価格帯では、今、ベストの一つだと思われます。

 

 

続いてインストール目線から。

埋込寸法51.5mm。
すこーし大きくなった様ですが、それは音質の為。
音質と奥行きのバランスは、低価格スピーカーに与えられたミッションです。
この奥行きなら窓が近すぎてスピーカーを選べない車への選択肢に追加出来そうです。

そして、ご覧の通り、カロッツェリアバッフルで取付可能。
これまたインストール費用を抑える事が出来る一つのポイント。素晴らしい。

 

最近は、タイムアライメント内蔵の純正ヘッドユニットなんかも増えてきたので、
当店設計の最適な数値で組んだオリジナルパッシブネットワークを用いてバイワイヤリング接続するパターンが多くなってきてはいますが、しっかりとしたネットワークも付属しています。

 

安いけど付属品が皆無。
結局ポン付けする事が出来ず、取付費用がかかってしまって本末転倒。

そんなユニットも存在するので、取付面も考えられたスピーカーは大いに需要あり。

 

純正スピーカーの音が悪いから、どうにかしたいけど
オーディオにかけれる予算は少ない。

そんな貴方にバッチリ。

我が家のファミリーカーも正にそれ。
勝手に触るな指令が出ていますが、モコモコした抜けない音で、マトモに人の声すら聞き取れないのがストレスなので、こそっとコレに変えておこうかなと企んでおります。

ご興味あればご検討下さい。

 

アゴヒゲ白石

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