皆さんこんにちは、エモーション代表の橋本です。
今回は、ポルシェ、をテーマに語っていきたいと思います。
ポルシェって純正スピーカーが3ウエイ構成となっています。
911系、ボクスター系から、カイエンやマカンも3ウエイ構成ですね。
そのポルシェには、ドイツのETON(イートン)というスピーカーが非常におすすめです。
古い年式のポルシェで、純正スピーカーが3ウエイ構成ではないポルシェは今回のテーマではありません。
こちらがETON輸入元のHPです
ETONはドイツのスピーカーメーカーで、その歴史は古く、ホーム用からカー用まで、様々なスピーカーを幅広く展開しています。
特にカーオーディオに関しては、非常に力が入っており、パワーアンプも低価格機から高級機までそろっています。またカーオーディオ用スピーカーの多くは、3ウエイ構成が可能で、一部を除くどのグレードにも3ウエイ用のミッドレンジがラインナップされています。
この、3ウエイ用ミッドレンジのラインナップが多いという点が、ETONがポルシェによく合うと言える根拠でもあります。
また、ドイツ製スポーツカーであるポルシェと同じドイツ製である点も重要でしょう。
「いやいや、ドイツ製かどうかなんて音に関係ないじゃないか」とおっしゃる方もいるでしょう。ごもっともです。
しかし、個人の好み、嗜好というものは、思い入れやこだわりも含めて好みです。高性能が全てに於いて正義というわけではありません。
私はいつも、お客様と対峙するときはそう言わせていただいております。「音質の好みもは最も重要ですが、ブランドへのあこがれやこだわりも含めて好みですよ」と。
ドイツのスポーツカーにドイツ製のスピーカーを積みたいとお考えになられるポルシェオーナーの方は少なくないと思います。それも立派な好みであり、大事なこだわりです。私はそれを尊重したいですね。
ましてやETONは、性能、音質でもトップクラスのブランドです。ドイツ製の車にドイツ製のスピーカーを積みたいとお考えの方であれば、選ばない理由はないんじゃないですか?
ETONのスピーカーが、オーディオや音質に興味があるポルシェオーナーさんだけではなく、音にそこまで興味がないポルシェオーナーさんにもお勧めできるわけ。
それはポルシェの純正スピーカーが比較的壊れやすいからです。
ポルシェの純正スピーカーは、新しいものでも古い設計を採用しており、脆弱な部分を多く持ちます。
これは997についていたスピーカー、エッジがボロボロで音をまともに再生できませんでした。年式は2008年です。現在は2024年6月ですので、経過年数は16年。こうなってしまうには少し早すぎる気がします。
純正スピーカーで、いまだに多く見かけるウレタンエッジは、15年を過ぎたあたりから硬質化し、20年を超えるとボロボロになって崩れます。多くの方がそうなる前に車を手放されるので気付かない方も多いかもしれませんが、ウレタンエッジの場合間違いなくこうなりますね。宿命です。
市販オーディオのスピーカーのエッジはゴムエッジか、布をコーティングして複数回折り返したギャザーエッジが今のスタンダードです。これであれば、使い方に無理がなければ20年間以上持ちます。
しかしウレタンエッジは必ず劣化しますので、現在、市販スピーカーではほとんど採用されることはありませんが、カーオーディオの純正スピーカーの世界ではまだまだ主流です。理由は考えなくてもお分かりですね。安いからです。
ウレタンエッジがまだまだ主流の純正スピーカーにあって、ポルシェのそれは他よりも壊れやすいと感じています。なぜならば、スピーカーからガサガサとひどくノイズが出て、音楽を聴けないという問い合わせが少なくないからです。
また年式も10年落ち程度からそういったご相談が寄せられますので、印象としては、エッジが壊れるのが他の車種よりも比較的早いように感じます。
故障したスピーカーは修理が効きませんので交換するしかありません。ですが下手に純正スピーカーに交換しても、音質は向上しません。しかも純正とはいえ結構なお値段します。
であれば、故障がきっかけとはいえ、せっかくなら音も前より良くなった方がいいじゃないですか?
ポルシェに相性がいいETONのスピーカーに交換した方が良いのではないでしょうか。故障スピーカーからの脱却に加え、音質までぐっと良くなるのですから。
これが、ポルシェのスピーカーが故障した際も、ETONのスピーカーへの交換がお勧めな理由です。
故障だけではなく、良い音を得るためにスピーカーを交換しましょう。
やはり故障となると、気分が良いものではありません。降ってわいた災難ですので、出費も少ない方がいいですよね。しかしより良くなること。例えばこの場合ですと音が良くなるわけですが、その方がわくわくしますよね。楽しみですよね。お金も使い甲斐があるというものです。今スピーカーが正常な状態であっても、純正スピーカーの音質は極めて悪いです。ですからより良い音を楽しめるカーライフが待っているという、わくわくした気持ちでスピーカーを交換した方が良いですよね。
では、ポルシェにETONのスピーカーを導入する、最も安価な方法から解説していきます。
使うスピーカーはこちら。
ETON PRS-165.3
ETONの3ウエイ可能なシリーズでは最も安価なPRSシリーズの3ウエイモデルです。
これをそのままポルシェに装着するにはちょっと工夫が必要です。
その理由は、PRS-165.3には、3ウエイのパッシブネットワークがついていないからです。
説明書に書いてある通り、付属しているのは2ウエイ用のパッシブネットワークなのです。
それがなぜ3ウエイスピーカーと組み合わせてあるのかというと、低音を担当するミッドバスと、ミッドレンジ&ツイーターを分ける部分は、マルチシステムを用いることを前提としているからです。つまりマルチシステムとパッシブシステムを併用することが前提なのです。
しかしスピーカーを交換する事だけが目的の場合に、クロスオーバー内蔵のアンプやDSPを装着していては予算を大幅に超えてしまうでしょう。
そこで少し工夫します。
ミッドバスは高音域まで出していても壊れることはありませんのでそのまま接続します。問題はミッドレンジです。
ミッドレンジは中音域からちゅ高音域専用のスピーカーで、PRS-165.3の場合。80㎜口径です。このミッドレンジに低音が入力されると「バコバコ」というひずみを出し、故障の原因となります。故障しないまでも、音量を上げて聴くことが出来なくなります。
そこでミッドレンジの低音をカットする目的でコンデンサを投入します。
コンデンサは、高音は通しますが、低音は通しにくくなる素子です。そのような性質を持つため、クロスオーバーネットワークに使われています。これをミッドレンジとツイーターのラインに入れることで、低音が苦手なミッドレンジを守り、十分な音量で再生してもミッドレンジが歪まなくなります。
こういった少しの工夫が大切なんです。
こんなシステムですね。
ミッドバスとミッドレンジはドアに装着します。バッフル類は必要なので製作します。
ツイーターは純正位置取り付けです。判りにくいですが、エアコン吹き出し口の上側にあります。
さて、以上のシステムでどのくらいになるか、簡単にお見積もりしておきます。
ETON PRS 3WAY スピーカー交換、お見積もり
スピーカー ETON PRS-165.3 ¥74,800
製作物(バッフル、その他) ¥44,000
インストール費用(取り付け工賃) ¥16,500
合計 ¥135,300 → ¥131,600
ドア防振まで入れて、より高音質に!
では今のシステムに、ドア防振を入れたらどのくらいになるのでしょうか。
ドア防振の目的は、ドア鉄板からですノイズをとることです。
ノイズというと、電子音のようなものをイメージされるかもしれませんが、ドアから発生するノイズというのは、スピーカーから発する音にドア鉄板が共振し、独自の音を出してしまいます。この独自の音は、オーディオの再生音とは異なる鉄板の響きです。これは余計な音、即ちノイズですね。このノイズをとる行為が防振です。
実際には、鉄板の振動を止めるというのは大変なことなので、鉄板は振動させたまま、振動エネルギーを音に変えず、熱に変えて拡散する「防振材」というものを鉄板に貼り付けます。
エモーションが開発した防振手法で、今最もCPが高いのが、PAC,1 ver2.0というものです。
先ほどのお見積もりにそれも加えてみましょう。
ETON PRS 3WAY スピーカー交換、+ ドア防振PAC,1 ver2.0 お見積もり
スピーカー ETON PRS-165.3 ¥74,800
ドア防振 PAC,1 ver2.0 ¥49,500
製作物(バッフル、その他) ¥44,000
インストール費用(取り付け工賃) ¥16,500
合計 ¥184,800 → ¥181,000
ETONのスピーカーをもう少し良いものにしたらどうなるでしょう。
ここまでのお見積もりは、ETONで3ウエイラインナップのあるシリーズでは最も低価格のPRSシリーズで見積もっていました。
では、もうひと上くらいのものを狙った場合、どのくらいになるでしょう。
スピーカーは、一つ上のPLUSシリーズで。
POWシリーズの2ウエイ、POW-16 PLUSと、それを3ウエイ化するためのミッドレンジ、POW-80の組み合わせです。
振動版がパルプ素材にカーボンをコーティングしたものとなり、剛性が高まっています。マグネットも大きくなり、明らかに駆動力が増していることが見て取れます。
音質のグレードも大きく上がっていますね。
システムはパッシブネットワークでやろうとすると、本格的な3ウエイパッシブネットワークをエモーションで設計製作しなければならなくなります。それですとかなり金額が上昇し、本末転倒ですので、DSPを用いたマルチシステムが有利です。
DSPは後ほどご説明しますが、カーオーディオにはなくてはならない機能です。
こんなシステムとなります。
DSPを用いてマルチ化する場合は、スピーカーケーブルもマルチ化が必要
上の図を、パッシブの時の図と比較していただきたいのですが、パッシブネットワークや追加コンデンサがありませんよね。これをマルチシステムと言います。
マルチシステムは、スピーカーごとの帯域の分割をDSPの中で行うため、パッシブネットワークは必要ないんです。
マルチシステムの場合、スピーカーケーブルはDSPアンプやパワーアンプからスピーカーまでダイレクトに配線されていなければなりません。そのため、このシステムをポルシェに導入する場合、スピーカーケーブルは、ドアの中にミッドバス用とミッドレンジ用の二本、ダッシュボードにツイーター用の一本、配線する必要があります。
つまり、パッシブシステムのお見積もりに加え、マルチシステム化(スピーカーケーブル配線)という工事が加わる訳です。
ETON POW 3WAY スピーカー交換、+ ドア防振PAC,1 ver2.0 お見積もり
スピーカー ETON POW-16 PLUS ¥77,000
ミッドレンジ ETON POW-80 \49,500
ドア防振 PAC,1 ver2.0 ¥49,500
製作物(バッフル、その他) ¥44,000
マルチシステム化(スピーカー配線変更)¥22,000
インストール費用(取り付け工賃) ¥16,500
合計 ¥258,500 → ¥252,100
カーオーディオには、何はなくともDSPが必要。
DSPはカーオーディオの最優先事項
DSPとは、デジタルシグナルプロセッサーの略で、デジタルを用いて音声信号に変化を与える機能を持ちます。この機能を駆使し、何をしているのかと言えば、以下の通りです。
DSPはデジタル技術を用いて、カーオーディオ特有の問題点、即ち左右スピーカーの中心で音を聴けないとか、スピーカーの角度が良くないとか、反射や吸音の影響でバランスが狂ってしまっている。などと言った問題点を修復、解決し、ホームオーディオのように音楽を立体的に、感動的に聴けるようにする機器のことを言います。
要するに、カーオーディオはDSPがあって初めてホームオーディオと同じ土俵に立てるのです。
ですので、経験値が高く、腕の良い専門店さんは、スピーカー交換よりもDSPの装着を優先して勧めてきます。
純正スピーカーが如何に悪くても、まだましな状態であれば、純正スピーカーのまま、DSPを装着した方が音はよくなるのです。
それくらい圧倒的な違いを出すのがDSPの力です。
しかし、DSPの調整は大変難しく、簡単にはできません。
DSPでよい音にするには、カーオーディオの深い知識と、長年に渡るDSP調整の訓練が必要です。
つまりそれは、DSPの方を優先的に勧めてくる専門店さんは、DSPの調整が得意なエキスパートであると言い換えることもできます。これは専門店を見分けるときの一つの物差しともなりうるでしょう。
では、どのようなDSPを入れるべきなのでしょうか。ポルシェにはどんなDSPが適切なのでしょうか。
それはこのようなものです。
アンプ内蔵DSP(DSPアンプ)
HELIX P-SIX DSP ULTIMATEは、12チャンネルDSP。パワーアンプを6チャンネル内蔵しています。
つまり、このまま接続しても3ウエイ(3つのスピーカーユニットが左右あるので6チャンネル)のスピーカーを鳴らせますし、パワーアンプを追加すればサブウーファーなども駆動することが出来るようになるというモデルです。
HELIX M-SIX DSPは、10チャンネルDSP。パワーアンプを6チャンネル内蔵しています。
これも同様に、6チャンネル分、要するにフロント3ウエイ分までは内臓されたパワーアンプで接続できますが、それ以上は4チャンネル分のRCA出力があるのでパワーアンプを増やすことでサブウーファーなどを追加することが可能です。
これら二機種は、出力チャンネルが12チャンネルと10チャンネルと異なるものの、6チャンネル分のパワーアンプを内蔵し、ポルシェの3ウエイスピーカーをこのDSPに内蔵されたパワーアンプだけで駆動することが出来ます。
ではこれらの違いって何でしょう。こう考えていただけると簡単だと思います。
P-SIX DSP ULTIMATEは、優秀なDSPにアンプを付けちゃいましたって感じのDSPアンプ
HELIX M-SIX DSPは、優秀なパワーアンプにDSPを付けちゃいましたって感じのDSPアンプ
つまり、
DSP機能はP-SIX DSP ULTIMATEの方が上、パワーアンプの性能はM-SIX DSPの方が上、ということになります。
こんな違いです。
何故アンプ内蔵DSPでなければならないのか、もっと音の良いアンプレスDSPは使えないのか、
ポルシェにはカイエンやマカンなど、SUVタイプの車もありますが、大半がスポーツカーで、リアエンジン仕様の車も少なくありません。2シーターが多く、室内に何か物を置くための容積が圧倒的に不足しています。
従いまして、
ポルシェはオーディオ機器をたくさん積めるスペースが乏しいのです。
なのでDSPとパワーアンプが一体化したDSPアンプが有利なのです。
本来であれば、アンプレスDSPの方が音はよいですし、パワーアンプを別途用意する必要から、より高性能なパワーアンプが導入できます。しかし、ポルシェの室内には、それほど多くのパワーアンプやDSPを装着するスペースが乏しいんです。従ってDSPアンプを使ってシンプルにすっきりと収めた方が良いでしょう。
ただし!ポルシェでハイエンド級の音質を狙うとなれば、話は別です。
フロントのラゲッジスペースなどを活用し、大型のパワーアンプを搭載しましょう。
P-SIX DSPとM-SIX DSP、どちらを選ぶべきか。
私のお勧めは、M-SIX DSPです。
ポルシェという車の性質上、エンジン音の問題があります。エンジン音に対応するにはある程度のパワーが必要です。と言っても、それはパワーアンプの出力Wではありません。アンプのパワーはスピーカーをいかに正確に動かせるかというパワーであり、それは必ずしも出力の上限とは一致しません。
M-SIX DSPは、元々存在したM-SIXというパワーアンプにDSPを付けてみました。という感じのDSPアンプです。
このMシリーズパワーアンプは非常に優秀で、現在の低価格パワーアンプの中では群を抜いたスピーカー駆動力と音質を誇るベストバイの一つです。
エンジン音やロードノイズが大きい場合、それを解消するには、それらのノイズを上回る音量が必要です。しかしパワーアンプは音量を上げるほどに歪み感が増します。音量を上げたことのある方は経験されたことがあるかもしれませんが、音がこもった感じに聞こえだしませんか?その原因がアンプの歪みです。
この、大音量時のアンプの歪みは、アンプの駆動力と相対的です。
つまり、ナビの内臓アンプのような脆弱なアンプでボリュームを上げたときは、少し上げた程度で音がこもったように感じるのに対し、パワーのあるアンプの場合、横の人との会話ができないくらい音量を上げても、こもったようには感じなくなります。
ですので、ポルシェに搭載するDSPアンプは、内蔵されているアンプの性能が高い方を選んだ方が良い。という答えになります。
また、値段の問題もありますよね。
カタログ価格は、M-SIX DSPが¥110,000、P-SIX DSP ULTIMAITE が¥253,000ですから、比較するレベルにはないくらい価格差がありますよね。
P-SIX DSPには、特価プランがあります。
・DSPアンプ HELIX M-SIX DSP
・ケーブル類 エモーションセレクト品
・DSPアンプ取り付け シート下などの空きスペース
・DSP調整 エモーションのリニアリティサウンドチューン
・通常価格¥176,400 プラン価格¥170,500
スピーカー交換とDSPアンプの装着を同時に行った場合、
スピーカーをPRSシリーズにした場合、¥373,500(マルチワイヤリング化が追加されています)
スピーカーをPOWシリーズにした場合、¥422,600
このページに書かれている価格は、全て2024年6月現在のものです。
先々変動する可能性があります。
では、このシステムでどんな音が出るのでしょう。
間違いなく、びっくりしていただけるレベルの音を出しますよ!