これまでのカーオーディオの常識を覆すかもしれない、画期的スピーカーが出ましたね。
カロッツェリア TS-Z900PRS
もちろん、エモーションでもこれからどんどん力を入れて、様々な実験検証を行ってまいります。
楽しみにされていてください。
所で、わたくしエモ親方は、随分と前から「ポイントソース型同軸スピーカー」に注目しておりました。
パイオニアさんは「CSTドライバー」と呼んでいますが、
一般的にはポイントソース型同軸スピーカーと呼ばれます。
このスピーカーをカーオーディオのエポックメイキング的存在足らしめるのが、
TS-HX900PRSと言う品番で単品販売もされている2ウエイハイレンジユニットです。
ではポイントソース型同軸スピーカーとは何なのか、
一般的な同軸スピーカーと何が違うのかを、スピーカーの断面図を基に解説していきます。
一般的な同軸スピーカー
このように、ウーファー中央部からポールを立ててその上にツイーターが載った形状をしています。
これのメリットとデメリットは次の通り。
・メリット
ウーファーの有効振動板面積が広くとれる
・デメリット
ツイーターとウーファーに距離差があるため、
時間差による位相ずれが発生する。
ポイントソース型同軸スピーカー
ツイーターがウーファー振動板と同じ位置となるまで低く下げられた構造をしています。
これのメリットとデメリットは次の通り、
・メリット
ウーファーとツイーターに距離差がないため、位相が一致する
その為、クロスオーバーにずれがなければタイムアライメントは要らない。
・デメリット
ツイーターの直系の分、ウーファーの有効振動板面積が広く取れなくなるため、
低音の伸びはなくなりやすい。
このように、音の出所を一点に収束できることから、
ポイントソース(点音源)型同軸スピーカーと呼ばれます。
私は随分前より、ノルウエーのセアスやスペインのベイマなどから発売されている、
ポイントソース型同軸スピーカーユニットを入手し、
様々な試聴を行い、その極めて良好な定位感、音場感を目の当たりにし、
これこそがカーオーディオに求められているスピーカーの形状であると実感し、
事あるごとにメーカーさんにも提案をしてまいりました。
ノルウエー、SEAS EXCEL ポイントソース型同軸スピーカー
この形状をカーオーディオに搭載するとなると、
ドアスピーカーではなく、小口径でダッシュ上、或はAピラーに搭載できるものでなければなりません。
従って80㎜口径が限界となるでしょう。
ところがここに落とし穴があります。
ポイントソース型同軸スピーカーは、ツイーターがウーファーコーンに埋まりこむ形状であるため、
必然的にウーファーのコーン面積を食ってしまいます。
十分なコーン面積が確保できる大口径であれば問題ありませんが、
小口径になるほど、ツイーターに食われるコーン面積の比率が増し、
十分なウーファーコーン面積が確保できないと、
低音が損なわれるだけでなく、能率も下がってしまい、小さな音しか再生できなくなります。
その為の対策としては、カーオーディオのハイレンジとして使用する限り低音が必要ありませんので、
能率の低下を防がないといけません。
その方法としては、
・ツイーターを小型高性能化し、少しでもウーファー振動板面積を増やす。
・ウーファーのモーター(ボイスコイルとマグネット)を超強力なものにし、
駆動力の高さで能率を稼ぐ。
何とパイオニアさん、これを実現していると考えられます!!
これが恐るべきことなのです。
そして私たちがこのスピーカーに、近年ない程注目する理由でもあります。
9月にはエモーションにもデモ機が入ると思われます。
そうしたら様々な実験、検証を行います。
無論、他社製のミッドバスと組み合わせてどうなるのかも検証します。
次回のレポートを楽しみにしていてください。
エモ親方
TEL 092-939-0789